デング熱対策法虫よけ対策

虫よけ2大対策

これからは虫よけの習慣が必要です。虫よけの2大対策をあげました。

1.基本は、「長袖」「長ズボン」

蚊に刺されないための基本は、蚊に刺されにくい服装です。夏場でも「長袖」「長ズボン」など、できるだけ肌の露出が少ない服装を心がけましょう。長袖については、首周りも意外に刺されやすいので、首の開いたものよりも、襟のあるものがおすすめです。長ズボンのポイントは、肌に密着したきつめのものではなく、チノパンなど、肌とズボンの間に空間が多いズボンを選ぶことです。そうすれば、蚊が口針を刺してもズボンを貫通できない、または貫通できても肌まで距離があって刺されずに済む可能性があります。その意味で、厚手の生地のジーパンも有効と言えるでしょう。

 特に、蚊の発生が多い場所に行くときは、ブーツや帽子を身につけ、できるだけ皮膚が露出されている部分を減らすようにします。シャツの裾はしっかりとたくしこみます。靴下をはき、サンダルではなく足の指先をしっかり覆うことのできる靴をはきましょう。

2.有効成分を含む虫よけ剤の使用

もう1つ重要な対策が、虫よけ剤の使用です。特に外出中は、自分でも気づかぬうちに刺されてしまうことがあります。冬に風邪予防対策としてマスクをするように、特に夏場は、きちんと虫よけ剤を使うことが大切です。

厚生労働省が推奨している虫よけ剤の成分は、ディート(DEET)、ユーカリ油(レモンユーカリ油)、ピカリジンの3つです(ピカリジンは日本未発売)。これらは、アメリカ疾病対策センター(CDC)による科学的検証により有効性が証明され、皮膚や衣服に使用することをアメリカ環境保護庁(EPA)により認可された成分です。概して、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続します。ただし、ユーカリ油のような植物精油は、効き目が弱いと考える専門家も存在し、ディート成分が有効とされています。いずれの製品も、必ず添付されている説明書の注意書きに従って使ってください。また小児に虫よけ剤を使う場合は、大人がつけるようにしましょう。

虫よけ剤選びのポイント

虫よけ対策として、虫よけ剤は重要な武器となります。
虫よけ剤選びのポイントをあげてみました。

キーワードは「ディート12%」

前述の通り、虫よけ剤において、有効成分とされているのが、「ディート」です。ディートとは、化学名をジエチルトルアミドといい、昆虫忌避剤として最も効果的で、効力が長持ちすることが示されています。

現在、厚生労働省で認可している虫よけ剤のディートの最高濃度は12%です。市販の虫よけ剤にはディートの濃度が12%未満の商品もありますが、ディートの濃度の違いは、効き目の長さのみで、安全性はどれも変わらないとされています。また、ディート濃度12%の商品は「医薬品」でもあります。より効果が高く安全な虫よけ剤を選ぶなら、商品が「ディート12%」であるかをチェックすることが大切です。なおその際には、商品パッケージの裏側にある「有効成分」部分に表記があるかどうか確認しましょう。

日本初の「医薬品」としての虫よけ剤

「医薬品」と聞くと、薬をすぐに思い浮かべる方が多いかと思いますが、虫よけ剤にも「医薬品」があることをご存知でしょうか。

日本で初めて「医薬品」として認可された虫よけ剤は、池田模範堂の虫よけ剤「ムシペールα」で、1989年のことです。当時、感染症として主流だったのが、ツツガムシを媒介とした感染症「つつが虫病」でした。1986年頃から全国各地で患者数が増加の一途をたどり、予防対策が社会的な重要課題に。その課題を解決するべく、ツツガムシの忌避効果について様々な動物試験等を重ねました。その結果、効能と安全性が確認され、ディート12%濃度を含有した「ムシペールα」は、厚生労働省から感染症の予防効果があるとして、初めて「医薬品」に承認されました。その後発売された「ムシペールPS」も、「医薬品」として承認されています。

なお現在、日本で流通している虫よけ剤の多くは、「医薬品」ではなく、「医薬部外品(防御用医薬部外品)」です。

虫よけ剤における、「医薬品」と「医薬部外品」の違い
  医薬品 医薬部外品
(防除用医薬部外品)
定義 病気(疾病)の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされているもの。 積極的に治療に用いられるものではなく、人体に対する作用が緩和なもの。
有効成分 ディート ディート
濃度 12% 主に5%~10%
効果効能 蚊、ブユ(ブヨ)、サシバエ、アブ、ナンキンムシ、ノミ、イエダニ、マダニ、ツツガムシの忌避 主に蚊、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニの忌避が中心
販路 主に薬局や薬店・ドラッグストアにおいて購入可能。※ 左記に加え、コンビ二、スーパーなどでも購入可能。

※改正薬事法により、第二・三類医薬品の販売は登録販売者を設置すれば、コンビニやスーパーなどの小売店でも販売できるようになりました。さらに、一定の条件の下、インターネットや電話などでも販売できるようになりました。虫よけ剤は第二類医薬品にあたります。